TOKINOHAは、「捨てないものづくり」をブランドコンセプトの一つとして活動をしています。陶芸の世界では、丁寧な制作にも関わらず、形が歪んでしまったり、釉薬の発色が悪かったり、小さななヒビが入ったものが焼き上がってしまうことが多々起こります。これは、最終的な工程を窯というブラックボックスに委ねる陶芸ならではの独特な特性であり、避けられない現象です。
通常、このような微細な欠陥を持つものはB級品とされ、販売品から取り除かれます。これは、その存在がブランドイメージに影響を与え、お客様に品質が低いと誤解される可能性があるからです。ブランドの品質が低いと誤解されることは、ブランドにとってとても大きな問題です。
そのため、多くの陶芸ブランドでは、そういったB級品が使用するには全く問題がないものであってもブランドの価値を守るため容赦なく破棄することが当たり前になっています。破棄する、というと具体的にイメージがしにくいかもしれませんが、陶磁器を処分する場合、陶磁器は産業廃棄物として扱われます。
陶器は土に還ると思っている方が多くおられますが、陶器は土に還りません。これは、1万年以上前に作られた縄文土器が未だに土から出土することからも明らかです。
B級品を捨てるときは産業廃棄物として処理しなければならないという問題があり、これは地球環境に大きな負担をかける可能性があります。
TOKINOHAは、この問題に対してどのように向き合うかを真剣に考えました。
考えた結果、TOKINOHAはなるべく廃棄しないものづくりを選択することにしました。ブランドのイメージと地球環境の問題を比較し、地球環境を優先するという重要な決定です。
その結果、TOKINOHAでは、焼きあがったB級品をアウトレット品として販売しています。ヒビが入った器は、金継ぎの技法で修復し、新たな命を吹き込み、販売します。修復が不可能な器は最終的に廃棄しますが、全体の生産量と比べるとその数はごく少量です。
さらに、TOKINOHAはお客様が購入した器ができるだけ長く使われ続けることを願っています。そのため、お客様が使われている間に欠けてしまった器をお預かりし、金継ぎによって修復するアフターケアを行なっています。
小さい欠けに関しては、縁を削って釉薬を塗り直し、再焼成するという修復サービスも提供しています。
また、新たな取り組みとして、お客様の生活環境の変化やさまざまな事情で使われなくなった器を回収し、金継ぎや再焼成を行い、再販売する活動を始める準備もしています。
「土」という限られた地球の資源を使用して器を作る責任を持ち、なるべく廃棄しない器作りを行うことで、陶芸が未来へと続く持続可能な事業となるという考えが、私たち陶芸のブランドにとって重要だと強く感じています。