植物の灰を使った”灰釉”の器です。
二つとして同じ表情になることはなく、古くから自然の移ろいを好む日本人に愛されてきました。
天然の木の灰を調合した釉薬を使い、特別に3種類を混ぜ合わせた土をつかうことで、豊かな表情と、奥行きのある色合いを出しています。
Ash Series:
Ash based glaze deriving from botanical ash is used for this series.No two pieces are the same, and such uniqueness has been long-loved by the Japanese people, who have cultivated deep appreciation for nature’s seasonal changes from the ancient times.
This series embodies mounting expression and depth of color by using a mixture of 3 distinct clays, while utilizing glaze with a blend of ashes from natural woods.
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ashシリーズのやわらかい雰囲気を際立たせる要素の一つは、土が持つ性質です。
このシリーズは、白土、赤荒土、白荒土という3種類の土をTOKINOHA独自の配合で混ぜ合わせた特別な土から製作されています。
TOKINOHAでは主に白土を使用しますが、それだけでは光沢が強くなります。赤荒土だけでは、美しい水色が少し濁ってしまいます。白荒土だけでは、焼き上がりは美しいものの、強度が少し弱く、欠けやすくなります。これらの欠点を補うため、3種類の土をブレンドしています。
表面に現れる黒い斑点は、土の中に含まれる鉄分が釉薬に溶け込むことで生まれる表情です。 この土の特性が、ashの素朴な柔らかさを一層引き立てます。
ashの釉薬は、陶芸らしい味わいもあります。
現代では発色に用いられる成分も精製されたものを使うことが多いのですが、ashの釉薬には松の木を燃やした天然の灰をベースにした釉薬を使用しています。 全体にその釉薬成分をまとわせたあと、乳濁系の白い釉薬を一つずつ吹き付けていきます。こうすることで、二つの釉薬は窯の中で溶け合い反応し、その結果として淡い水色や白のバランスが美しいashシリーズとなります。
どのような表情が生まれるかは、2種類の釉薬の濃度や窯の温度次第です。
ashの見どころの一つは、器の裏側。
ガラス成分を多く含むashの釉薬は、高温になると溶けて流れる性質があります。 釉薬が濃すぎると窯の中で多く流れ、最悪の場合、窯の土台とくっついてしまう可能性があります。
しかし、流れを防ぐために釉薬を薄く塗ると発色が濁り、ashの魅力を引き出すことができません。これを解決するためTOKINOHAでは、器の際まで釉薬を塗り、万が一流れてしまっても作品が全て台無しにならないように、器の裏側に5箇所ほど小さな粘土、目土を付けて窯の土台から少し浮かせて焼成します。
これは、陶器を登り窯で焼いていた昔には一般的だった方法で、古い焼き物の裏側にはこの目土の跡が見られます。これは古い陶芸の見どころの一つとなっています。

TOKINOHAの定番シリーズは、TOKINOHA Ceramic Studioにてご購入が可能です