- 2021.04.21
- ソーホーSOHO
【ソーホー】は、作り手と買い手が双方向に直接繋がるオンラインプラットフォームです。誰かがキュレーションしたセレクトショップではなく、プロの作り手が、自身でセレクトしたアイテムを見せ方や伝え方を工夫しながら、こだわりある買い手に販売する場です。作り手と買い手が直接繋がることで、作り手にとっては販路拡大と直接販売のスキルアップを、買い手にとっては作り手を身近に感じることでより楽しく陶芸と触れる機会を創出します。
<きっかけ>
構想のきっかけは、2020年の新型コロナのまん延でした。現在の陶芸の世界は、作り手は作ることに集中し、売ることは売る専門家に任せる、という仕組みが出来上がっています。この仕組みは、作り手にとっては制作作業に集中できるとても合理的な仕組みでした。しかし今回のコロナにより作り手が直面したのは、売り手からの仕入れが止められた際に、作ったものを売る場所がなくなるという厳しい現実でした。緊急事態宣言という非日常。それでも器の作り手は、生きるために器を販売したい。そんな時に命綱になったのは、ネットショップでした。「自分の身を自分で守るには、自分自身で売る力をつけなければいけない」そんな声は、私たちの周囲でも大きくなっているように感じていました。
<問題>
作り手が簡単にネットショップを持てないのにはいくつかの理由がありました。「初期費用」「集客」「運営知識の乏しさ」は、作ることを本業とする作り手個人が超えるには高いハードルとなっていました。TOKINOHAでも、2015年からオンライン販売を強化してきましたが、手探りの状態からスタートし、ようやく手応えを掴みはじめるまで数年を要しました。
<ソーホー構想のはじまり>
そんな状況を打破するために、何ができるのか。考えた末に浮かんだのが「作り手が集まって情報発信する場を作る」というイメージでした。前述したように、集客の難しさはオンラインショップ運営の大きな壁となります。しかし、作り手が集まって発信する場があれば、ひとりよりもはるかに大きな力で集客することができる。そして買い手にとっても、作り手を身近に感じ楽しく陶芸に触れることができる。それは新しい価値を生むのではないかと考えました。そして作り手と買い手を双方向に繫げる場『ソーホー』の構想が走り出しました。そして、SNSを通して作り手に『ソーホー』の構想を発信。30人を超える作り手から賛同の声が上がりました。
<ソーホーのしくみ>
ソーホーは、なるべく仕組みをシンプルにするよう検討を重ねました。
1. 参加できるのは「プロの作り手」だけ。
2. 登録作家はソーホーサイト内に自由に出品・編集できるショップを開設。
3. 注文された器は作家の工房から買い手に直送。
4. コメント機能で、買い手の感想やレビューを受け取ることが可能。
<ソーホーのこれから>
2020年の年末にウェブサイトを公開して以降、SNS発信、読み物コンテンツ、特集ページの作成などを行なっています。実際に、SNSを見てソーホーに興味をもった人やリピーターも多く、ウェブメディアに紹介されるほか、ショップのバイヤーから声がかかり始めました。さらに今後は作り手相互の交流・勉強会なども視野に入れ、「作り手」「買い手」双方にとってより魅力的な場になるよう試行錯誤を繰りかえしています。